導入事例のタイトルは、誰のどんな変化かを伝える

更新日: | 監修:導入事例制作サービス ビズログ

導入事例のタイトルを考えると、成果の数字を一番大きく出したくなることがあります。ただ、その数字が何の変化か分からなければ、読者は自社に関係する話か判断できません。タイトルでは、誰が、どんな課題に取り組み、何が変わったかを絞って伝えます。

取材前に仮のタイトルを置くのは企画を整理する助けになりますが、最終的な表現は取材内容と原稿が揃ってから決めます。強い見出しに合わせて本文の意味を変えると、顧客が話した範囲を超えやすくなります。

誰の話か、何が変わったか、言い過ぎていないかを確認するタイトル作成の図
誰の話か、何が変わったか、言い過ぎていないかを確認するタイトル作成の図
目次
  1. 会社名、課題、変化のどれを先に見せるか
  2. 数値がある場合は、対象を省きすぎない
  3. 数字がないときは、仕事の進み方を見せる
  4. タイトルと見出しに、別の仕事を持たせる
  5. 顧客へは、タイトルも確認対象として渡す

会社名、課題、変化のどれを先に見せるか

顧客名が読者の関心につながる場合は、名前を前に置く方法があります。一方、名前だけでは業務が伝わらない場合は、課題や変化を先に示したほうが、内容をつかみやすくなります。顧客名、製品名、すべての機能を一つの文へ詰め込む必要はありません。

たとえば「A社様 導入事例」だけだと、本文を開かなければ何の話か分かりません。「拠点ごとに分かれていた点検記録を一元管理」と添えれば、その課題を持つ人が読む理由になります。社名をタイトルに含められない場合も、業務と変化を主題にできます。

タイトルを読む場所も考えます。事例一覧では短い文字数で表示され、営業資料では口頭で補足されるかもしれません。短く表示されても主題が残るよう、先頭へ伝えたい内容を置きます。

数値がある場合は、対象を省きすぎない

仮の素材から考える例

確認できた内容:管理部門の月次集計作業が、月8時間から2時間になった。

避けたい表現:「業務時間を75%削減」。会社全体の業務時間が減ったようにも読めます。

範囲を残した表現:「月次集計を月8時間から2時間へ。管理部門の確認作業を見直す」

8時間から2時間への減少は75%ですが、数字の正しさだけでなく、対象の正しさも確認します。削減率だけを前に出すと、何を測ったかが隠れやすくなります。比較条件が長くなるなら、タイトルでは業務名と実数を使い、本文やリードで条件を補う方法もあります。

導入以外の業務変更も同時に行っているなら、「製品で75%削減」と原因を一つに固定しないようにします。何が寄与したと取材先が評価しているか、資料でどこまで確認できるかを踏まえて表現を選びます。

数字がないときは、仕事の進み方を見せる

大きな成果数値がなくても、タイトルを抽象的な「効率化を実現」で終える必要はありません。担当者ごとに保存していた情報を一か所へ集めた、窓口への問い合わせ前に状況を見られるようになったなど、確認できた変化を使います。

素材タイトルの方向
担当者への個別確認が減った「申請状況を同じ画面で確認。個別の問い合わせを減らす運用へ」
段階的に利用部門を増やした「一部門の試験利用から社内へ。担当者と進めた運用の定着」
技術情報を探す手順が変わった「個人管理の技術資料を共有。必要な情報へたどり着ける環境を整備」

これらは考え方を示す例です。実際の記事では、確認できた出来事に合わせて書きます。「減らした」「整備した」と言い切れるか、まだ取り組みの途中なのかによって、語尾も変わります。

タイトルと見出しに、別の仕事を持たせる

タイトルは記事全体を示し、本文の見出しは各章の内容を案内します。どの見出しも「効率化」「生産性向上」となると、話の進み方が見えません。背景、選定の判断、導入時の工夫、現在の変化が追えるよう、章ごとの具体的な内容を出します。

タイトルに「現場への定着」を置くなら、本文にも、誰が使い始め、どんな説明をし、困ったときにどう支えたかが必要です。成果の段落だけで定着したと説明しているなら、見出しを弱めるか、必要な追加取材を行います。

本文の主題が複数に分かれてタイトルが決まらないときは、言葉を工夫する前に構成を見直します。最も役に立つ話が何かを選ぶと、見出しにも一貫性を持たせやすくなります。

顧客へは、タイトルも確認対象として渡す

本文が正確でも、タイトルだけを読むと効果を大きく受け取られる場合があります。顧客の確認では、タイトル、一覧用の短い紹介文、画像上の文字まで対象へ入れます。本文で確認した表現を、別の場所で強く言い換えないようにします。

特に「初」「唯一」「全社」「ゼロ」といった範囲の広い言葉は、何を根拠に言えるのかを確かめます。取材中の比喩をそのまま使うと誤解が生じることもあります。目を引く表現と、正しく読まれる表現が両立しているかを、公開前にもう一度読み直しましょう。

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